交通安全
鎮座地:栃木県小山市網戸2025
社号標
境内
注連縄
扁額
拝殿
稲荷神社
皇宮神社・奥瀬神社
三峯神社・千杉神社・水神社・熊野神社
八坂神社
北向天満宮
石祠
栃木県小山市網戸。思川の流れに寄り添うように、ひっそりと鎮座するのが網戸神社だ。主祭神は田心姫命。宗像三女神の一柱として水の守護を司り、古来よりこの地の人々の生活と祈りを受けとめてきた。社伝には大同元年(806)に社殿を再建したと伝わり、平将門討伐の折には藤原秀郷が戦勝祈願をし、また源頼朝も社領を寄進したとされる。時を経て大正の渡良瀬川改修に際しては遷座を余儀なくされたが、そのたびに人々の手によって守り継がれてきた。
参道に立つと、秋の風が稲穂を揺らし、鳥居の先に広がる静謐が心に沁みわたる。拝殿は華美ではない。だが、その簡素さこそが長い時の流れを受け止め、土地の記憶を湛えているように見える。
掌を合わせると、水面に映る過去と現在が重なった。農の実りを願った村人、武運を祈った武将、川の恵みに感謝した人々――彼らの祈りが層を成して、この場に澄んだ気配を残している。
振り返れば、夕陽に照らされた稲田が黄金色に輝いていた。水を護る神への信仰は、今も変わらずこの風景に息づいている。静かで、確かに。